第513回JPSオークション オススメ
Lot No.142 第2次昭和切手 灰色勅額10銭貼エンタイア
Lot No.142

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 勅額10銭切手については“曰く因縁”がありますが、発行日は一応1945(昭和20)年4月15日となっています。この年4月1日から書状料金が10銭に値上げされ、それに対応する切手として発行されました。切手が不足していた郵便局には配給されたようですが、実際には、地図(大東亜共栄圏)10銭が使われています。
 敗戦後は占領軍の心情を“忖度”して、いち早くこの切手の使用を禁止し、万一切手が貼ってあったとしても、剥ぎとったり、墨で中央の文字を消したりしました。書状10銭料金は昭和21年7月25日までの1年3ヵ月ありますが、この期間に灰色勅額10銭を貼った郵便物は極めて少ない状況です。
Lot No.143 第3次昭和切手 飛燕5銭6枚貼エンタイア
Lot No.143

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 飛燕5銭の刷色はカタログでは5つに分類されています。出品物は「緑味青」としていますが「青」に近い色です。青色は かつては「北海道版」と言われていましたが、いまでは各地でこの色の切手が使われたことが判ってきました。緑色系と比較すると、この色のあでやかさが際立ちます。
 出品物は6枚貼30銭で、1946(昭和21)年7月25日〜22年4月1日の書状料金に適応しています。
 飛燕5銭は消印の読めるものがあまり多くありませんが、これは「蒔田 21.7.28 愛知県」と読み取れ、30銭料金3日目の使用という事も判ります。

Lot No.148 第1次新昭和切手 前島密15銭貼私葉
Lot No.148

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 前島密15銭の適正使用時期は極めて短いものとなっています。発行日は1946(昭和21)年11月20日ですが、その時には既にはがき料金は15銭になっていました。
 当時、急激な物価上昇で翌22年4月1日には、はがきが50銭に大幅に値上げされましたので、前島15銭の適正使用期間は4か月余りしかありません。更に当時は紙不足で、私製はがきを使うことが難しく、ほとんどは既発行の官製はがき(楠公5銭)に切手を加貼(富士と桜10銭など)して使用しました。
 この時期、消印が鮮明なものが少ない中、出品物の消印は鮮明で、コレクションに加えても遜色ない一品です。
Lot No.151 第1次新昭和切手 梅花10円49枚B
Lot No.151

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 この切手のカタログ価は1枚7,500円です。49枚ブロックですから、367,500円にもなります。全体にシミがあり、状態はあまり良好ではありませんが、これだけのブロックは滅多に市場には出てこないでしょう。
 リストには記載されていませんが、#96に定常変種<左辺中央に余分な蕾>があります。
Lot No.334 楠公3銭はがき(乃木2銭切手加貼)占領軍検閲印つき
Lot No.334

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 このはがきが比島(フィリピン)に届いたという確証はありませんので、下部に押されている占領軍検閲印(いわゆる金魚鉢)について触れます。金魚鉢は一般に位置(正、逆)と中に書かれている月日によって、検閲地が分かるようになっています。
 出品物は、金魚鉢が逆ですが月日が書かれでいません。差出地が在田(兵庫県)ですので、大阪で検閲されたと推定できます、1945(昭和20)年の検閲印はあまり多くはありません、初期の検閲印は「CCD」(米国籍検閲官)が多い中で「CCDJ」(日本人検閲官)が初期の段階から検閲に携わっていたことが、このはがきにより判明しました。