第527回JPSオークション オススメ
Lot No.55

和桜淡青1銭 政府 縦P 貼、□土佐/検査済抹消、□和州土佐郵便御用取扱証示 東京宛、N1B1 東京着印不鮮明

Lot No.55

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 今回は、表紙・裏表紙の逸品4点をはじめ、竜切手のカバー数点を含み手彫切手のエンタが60通以上も出品されている。高級品からお手頃品まで、いずれも最盛期の数分の一から十分の一程度と大変割安な最低値となっている。一万円台でもそこそこの品物が。数千円台の設定もあり、切手ややキズ品は何と千円の最低値も。日本のゼネラルコレクター・ボストークコレクターや現行切手コレクターの方々に、是非とも初めての手彫切手エンタ入手にチャレンジしてみる事をお勧めしたい。手彫エンタの1リーフが加わる事により、アルバムの輝きが違って見えることになり、大きなアクセントとなるのでは。
 最低値20,000円はやや張るが、小国・和州(和泉国)の不統一印が抹消・証示(図版では1/3で欠けているが全体鮮明)。封小ぶりでルックスは悪くなく、専門家も狙っていくはず。
最低値:20,000円
   
Lot No.76

洋桜黄2銭仮名チ貼 、□江尻検査、KG 江尻、N1B1 東京 8.12.28 り

Lot No.76

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 前述同様、お手頃手彫切手の不統一印カバー。もっともありふれた黄2銭貼だが何と言っても薄い刷色に消印が映えるのがありがたい。  150年近く前のカバーと言って一般の人に自慢すれば驚かれる事間違いなし。
最低値:15,000円
   
Lot No.219

1次昭和 乃木2銭貼 (私葉) 櫛 サイパン 17.8.8 、(裏) テニアン島マルボ国民学校赴任挨拶状 (印刷) 

Lot No.219
▲表面 ▼裏面
Lot No.219裏面

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(画像は一部加工してあります)
 
 南洋の消印の中ではありふれたサイパン消ながら、この葉書は裏面の内容に興味をそそられる。東京からの転勤であるが、昭和17年はまだ余裕、むしろ日本に勢いのある時代での転任であるので、これからの人材育成教育に燃えての赴任であったか。あるいは口には出せないが本土から遠く離れた南洋の地(恐らく日本に家族を残して)でのいくばくかの不安がよぎる心境だったか。その後の環境の激変にどう対処していったかなど、想像をかきたてる1枚。
最低値:5,000円
   
Lot No.306

多宝塔80銭貼、櫛 足立 26.5.21、第3種帯封

Lot No.306

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 昨年のJAPEXの記念出版「第1次動植物国宝」の発刊に合わせてか、今回のオークションには競争展上位入賞実績のベテラン収集家のご出品が質量ともに充実している。
 銭単位をゼロ付と呼ばれ、それ以降の円位と同図案なのに、何でもない使用済の入手さえ苦労させられた。
 唯一の銭位80銭切手は最低額面なので未済は何とか入手できても使用例のカバーの入手は10枚貼書状でもめっきり見かけなくなった。記念出版ではこの適正1枚貼3種便が中身付で掲載されていたが、ラッパーの完全な物でさえ、時代が新しいにも関わらず両手の指に余る存在では。これを入手できたら、50年を経たセミ・モダンの収集に加速がつく事間違いなし。
 次Lot No.307の同切手5枚貼の時代を下った4円料金3種便も中々得難い品物。
最低値:250,000円
   
Lot No.311

年賀はがき28年用 ツルと日の出4円に前島密1円貼、三日月 TOKYO 10.I.53、特地琉球宛て年賀状(沖縄では年賀特別料金は適用外)

Lot No.311

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 沖縄が米国から変換されて50年近く経つが、占領下にあった当時の不幸な歴史の生き証人。
昨今、年賀はがきの年賀特別料金期間前後の使用例を作品にまとめられている郵便史の猛者もいるが、これは年賀特別料金期間内での料金適用外エリア沖縄だけの限られた使用例。銭位1円切手加貼に欧文三日月印抹消との一粒で二度おいしいアイテム。これをきっかけに、前後の年次の同様な年賀はがきを揃えようとしたら、空恐ろしい。
 これら以外にも、後半Lot No.2313以降にも、動植物国宝切手のロット・エンタが出品されており、リーズナブルな値付けとなっているのでお見逃しなく。
最低値:15,000円
   
Lot No.350

朝鮮字入 大正婚儀3銭 L121/2貼、丸一 韓国・仁川 33.8.25 → 京都 → 淀(丸一着印)

Lot No.350

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 支那字入と共に唯一の字入の記念切手も。無加刷の評価が安い分、未使用もそうだが読める
使用済は型価以上の実力。いわんや、エンタの評価は書状といっても、いや書状であるゆえに格段の価値が。一頃、普通切手より一回り大きいサイズなので、安価な無加刷で満月消の収集が流行ったが、字入りのエンタが2通入手できたら、単一記念切手の専門収集を始めたい気にさせられるのでは。記念コレクターか、字入コレクターか。いずれも肝になるアイテム。
最低値:280,000円
   
Lot No.459

スタンプレス郵便事務、KG 羽前・富山 1.23、希少局

Lot No.459

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 前回に引き続き、Lot No.360〜516、山形(羽前・羽後国)の初期郵便印のパート。前回以上に不統一印・記番印が充実。手彫コレクターには地元でなくとも、喉から手が出る魅力の品々が目白押し。また前回同様、小判時代の希少局である二重丸印も多数出品されている。
 一般に地元などの消印収集をする上では、まず切手貼カバー、次に葉書、最後にスタンプレスカバー(切手の単片よりはまだまし)の順でコレクターは望んでいる。それでも地方の希少局では、味も素っ気もないスタンプレスカバーにしか発見されていない局も意外に多い。この羽前
・富山も熱収されていた出品者でもスタンプレスカバーしか入手できなかった珍局のはず。そう考えるとけっして高くない最低値では。他にも宝の山の出品物の数々、目を皿のようにしてリストの行間を凝視願いたい。
最低値:5,000円
   
Lot No.518

芦ノ湖航空91/2銭貼 内地間航空私製葉書、櫛 赤坂田町 9.11.21 → 日本航空輸送(株)大阪営業所、裏面:名古屋定期寄港開始記念御招待申込書

Lot No.518
▲表面 ▼裏面
Lot No.518裏面

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 姿のよい適正はがき使用例ではあるが、これまた葉書裏面の内容が応えられない。いつの時代も宣伝・広告は大切。黎明期の航空業界、当時の庶民の夢をかきたてる企画の申込葉書。果たして競争率は何倍であった事か。想像をかきたてる1枚。
最低値:3,000円
   
Lot No.522

五重塔航空(遠位)25円 第4コーナー銘付10枚B(5×2)、NH、最下段目打が最下段切手額面上まで上ズレ、裏糊ムラ・シワ

Lot No.522

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 実に見映えのするポジションで生じたエラー。リーフへの納まりも絶好。裏糊にやや難も表がよければそれほど気にしなくとも。
最低値:50,000円
   
Lot No.613

関門トンネル開通10円 下耳付田型 NH、最下段横目打漏れエラー、裏糊ムラ・極小汚レ

Lot No.613

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 これまた地味な記念切手に大きなエラー。耳付が何よりも、鋏でなければ切り離せなかったのか幸い。どんな作品にどう使うかは、落札された方のお楽しみ。
最低値:8,000円
   
Lot No.663 年賀SS 三番叟、目打無し・目打ズレエラー、NH、裏糊ややヤケ
Lot No.664 年賀SS 三春駒、NH、左下福耳付、裏黒点3ヶ所

Lot No.663

Lot No.664

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 いずれも年賀小型シートのエラー。前者は、目打の大幅ズレによる、一部無目打の派手なエラー。後者は、めでたい年賀にふさわしく、ちょこんと福耳付。年賀コレクターには、よいアクセントに。人とは違う物が欲しいのが、収集家魂。
Lot No.663 最低値:25,000円
Lot No.664 最低値:20,000円
   
Lot No.686

沖縄 那覇市新庁舎落成3¢みほん 第4コーナー銘付田型、NH、みほん発行数2,000枚(100シート・銘付100枚)

Lot No.686

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 日本切手のみほんは、全郵普が新切手解説書にベタ貼頒布をしていたので裏糊の完全な物はかつて珍重された時期もあったが、この時代の記念切手のみほんは今では少しも珍しくなく、シートでも存在する。
 それに比べ沖縄切手のみほんは漠然と珍しい事は知っていたが、今回改めて19種類しかないことに驚かされた。発行数2,000枚は少ない方ではないが、そうそう機会があるわけではないので、沖縄切手の人気がひと段落の今がチャンスかも。
最低値:8,000円